医療費控除を利用する
医療費控除とは、医療費が年間で10万を超えた場合、確定申告することで還付金を受け取ることができる制度です。
さらに翌年の住民税も安くなります。
(※払いすぎた税金を取り戻す制度のため、所得がなかった場合は戻ってくる還付金は発生しないです・・・)
医療費控除は年末調整では行われないため、個人で確定申告する必要があります。
(多くの場合、毎年2月16日〜3月15日)
今年の申告期間に間に合わなかった場合でも、5年前までさかのぼって申告することが可能です。
国税庁 「確定申告書等作成コーナー」
還付金が戻ってくる理由
課税される対象は、「給与総額から控除分を引いた金額」 とされています。
控除は年末調整で終わっていますが、医療費はこれに含まれていません。
そのため確定申告で医療費を新たに控除の対象として追加します。
↓
控除額が増えると課税される総額が少なくなるため、税金も少なくなります。
↓
年末調整した金額よりも税金が少なくなるため、既に払った税金から差分が還付金として戻ってきます。
課税対象の総額が少なくなるため、翌年の住民税も安くなります。
残念ながら国民健康保険料の控除には含まれないため、こちらは安くならないです。
(保険料は地域により大きく違いがあるため一概にはいえないですが、例外は少ないかと)
医療費として認められる項目については国税庁のページで確認できます。
医療費控除の対象となる医療費|国税庁
戻ってくる金額の目安
予め還付金がどれだけ戻るのかを知っておかないと、がっかりすることもあります。
自動計算できるサイトはいくつかありますが、以下のサイトがシンプルで使いやすかったです。還付金だけではなく、住民税の減税額も分かります。
医療費控除簡易シミュレーター
※簡易的な計算のため、実際の金額とは異なることがあります。あくまでも目安としての金額です。
申告に必要なもの
・申告したい年の源泉徴収票
・申告したい年の医療費の金額が計算できるもの (領収書、レシートなど )
2018年の申告から支払った金額と対象が分かれば、領収書やレシートの提出は必要なくなりました。代わりに念のため5年は保存しておく必要があります。
過去の申告をする場合
5年前までさかのぼって申告することが可能です。
2年前の申告をしたい場合は、2年前の年の源泉徴収票と、その年の医療費の総額が分かれば大丈夫です。
※注意点
過去の申告の場合、国税庁のWebサービスを利用することができないため不便なことです。(最新の申請期間のみをオンラインで受け付けています)
課税の方法が年により若干変わっているケースがあるため、不明なところがあれば税務署に確認すると教えてもらえます。
確定申告の方法
用紙に直接記入する
① 申告用の用紙に自分で記入して提出
国税庁のWebサービス 「確定申告書等作成コーナー」を利用する
② 作成した結果を印刷して提出
③ 作成した結果をWeb上で提出 (e-Tax)
②か③が簡単でお薦めです。
医療費の計算には、上記ページにある「医療費集計フォーム」からExcelの専用フォーマットをダウンロードできます。
医療費の金額、使用した対象(プルダウンで選択)、医療機関や薬局名を記入し、「確定申告書等作成コーナー」の作成フローでアップロードして反映することができます。
② 国税庁のサイトで作成した結果を印刷する場合
入力が完了するとPDFで出力されます。それを印刷して郵送するか、税務署に直接提出します。提出先は、自分の管轄の税務署です。入力時に自分の住所から管轄の税務署が選択されるため迷うことはないです。
※作成したPDFを別のPCで印刷しようとした場合、フォントが対応しなかったりでPDFが真っ白で印刷ができなかった、などのトラブルがあります。余裕をもって印刷しておきましょう。
③ 国税庁のサイトで作成して、オンラインで申告する場合
オンラインでの確定申告 (通称e-Tax)は、以下のどちらかの手続きが必要です。
(2019年1月以降)
ID・パスワード方式
税務署で事前に申告用のIDとパスワードを発行しておく (このとき免許証など身分証明が必要) ※マイナンバーカードは必要ありません。
マイナンバー方式
マイナンバーカードを読み取る専用機器 ICカードリーダライタ (e-Tax対応)を用意します。※事前にマイナンバーカードの発行を済ませておく必要があります。
e-Tax利用の簡便化の概要について|国税庁
郵送する場合
普通郵便でも可能ですが、配達トラブルで期限までに届かなかった場合、税務署に証明する必要がります。 そのため定形郵便+特定記録など、記録が残る方法で郵送するのが良いです。
確定申告書は法律上「信書」となるため、郵便物か信書便物として送付する必要があります。 荷物扱い (ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケットなど)では送ることができないため注意が必要です。
宅配便も一般の荷物として送るのはNGですが、佐川急便のように 「飛脚特定信書便」 として使用できるサービスも一部あります。
申告書の税務署への送付について|国税庁